設立の趣旨、学会の活動

設立の趣旨および学会の目的

21世紀を迎えた今日、少子高齢社会にあって、看護を必要とする人々は増加し、適切な看護を責任もって提供していく看護職の責務が問われています。今日まで看護は、細かい観察と多くの工夫を重ね、人々の健康生活に貢献してきました。

そこで、営々と積み重ねてきた看護技術について、その効果と根拠を明確に示すことが求められます。インフォームド・コンセントの時代、看護の提供にあたっても、その目的、内容、効果等に関して説明する義務と責任があります。今、看護職者らが行っている様々な技術について、その効果とメカニズムを科学的手法を用いて明らかにすること、また、経験的知識を発掘してその根拠を探索すること等により、さらなる看護技術の開発を目指して、本学会を設立致しました。
これらの研究活動を通して看護学の学術の発展に寄与すると共に、看護実践の向上に貢献することを目的としています。

学会の活動

学術集会の開催

看護技術に関する研究発表や実践報告を主とした、学会員の相互交流の機会として、学術集会を年1回開催します。

学会誌の発行

学会員による編集委員会を置き、学会員が研究成果を発表する「日本看護技術学会誌」を年2回以上発行します。学会員相互の研鑽のために、査読制度を設けます。

研究の促進

看護技術の研究は、臨床家と研究者の共同研究が必要です。本学会では、同じテーマに関心のある会員が、共に研究していくための研究グループを作っていきます。

学会の運営

学会に理事会、評議員会を設け、年1回総会を開催し、会員総意による運営をします。

日本学術会議との連携

本会は、日本学術会議協力学術研究団体として指定されています(平成27年7月24日付)。

ご挨拶

 日本看護技術学会の第6期(H29年4月1日から3年間)の理事長を務めることになりましたので、ご挨拶をさせていただきます。本学会がこれまで取り組んだ事業を受け継ぎ、さらに発展させるために日本看護技術学会らしい取り組みをこれまで以上に意識した学会運営を心がけたいと考えています。その一つが、学会ホームページにも掲載されています『看護技術に関するQ&A』の充実です。このQ&Aには、根拠となった研究内容や参考にした臨床事例なども記載されていますので、実践家にとって有用な知識や技術が得られると考えています。


 看護技術研究の目的は、確かな効果と根拠を明らかにすることと、意味のない技術を排除することの二つと考えています。前者は、実践の場で積み重ねられた経験知を科学知にするための研究で、本学会では積極的に取り組んで多くの研究成果が学会誌に掲載されています。一方、後者の技術はいわゆる『思い込み技術』であり根拠が曖昧で漫然と実施しているもので、現場には少なくないように考えています。この『思い込み技術』に実践家が気づき、疑問視することが重要で、そこから新たな研究が始まります。長年、看護ケアとして行っている内容について疑うことは容易なことではありませんが、実践家と看護研究者が連携・協同して患者目線での実証研究に取り組む必要があります。本学会は実践家の疑問や課題を研究者と共有し、一緒に取り組むことを主な目的にしていますので、学術集会や交流セッションの場を活用して連携を深めて頂くようにお願いします。


 本学会は、日本学術会議に登録されていますし、今期中に一般社団法人化も目指し準備を進めています。学会誌も完全電子化され看護技術に関する研究内容を広く知っていただく準備が整いました。他学会と連携した診療報酬の提案も実施し、厚労省への説明会では手ごたえを感じています。このように成熟しつつある本学会をさらに充実・発展させるために、学会員の皆様方からご意見をいただき技術学会らしい事業に継続して取り組みたいと考えています。


理事長 武田 利明

理事長 武田 利明